一言でカードと言っても、「クレジットカード、デビットカード、キャッシュカード、プリペイドカード、、、」などカードには様々な種類があります。中にはキャッシュカードとクレジットカードを混同している方もちらほらといます。
「クレジットカードの定義とは何か、クレジットカードはどんな働きをするものなのか」ここですっきりとさせておきましょう。
クレジットカードの起源は古く、「契約/利息/決済」の仕組みは最古のビジネスモデルとして、紀元前750年に制定された世界最古の法制度として有名なハンムラビ法典の中にもその記述がありました。
その後印刷技術の発展に伴い、19世紀後半に入るとアメリカで通信や荷物料の支払いに紙製の支払いカードの使用が始まり、20世紀前半には金属製やプラスチックのクレジットカードが作られ、1950年には世界初のクレジットカード会社である「ダイナーズクラブ」がアメリカで誕生しています。
日本では1960年に入ってから、日本信販と三和銀行が設立した「ジャパンクレジットビューロー(=JCB)」からJCBカードが、「日本ダイナーズクラブ」からはダイナーズカードが誕生し、これらが現在日本で普及しているクレジットカードの前身となっています。
年々クレジットカードの普及は拡大し、現在世界では2億枚以上ものクレジットカードが普及し、そのサービスの種類も広がっています。
4種類のカードは「ペイメントカード(=支払い用)」と「キャッシュカード(=現金引き出し)」のくくりで考えると分かりやすいです。
「プリペイドカード」、「デビットカード」、「クレジットカード」の3種類であり、それぞれ支払いのタイミングから「プリペイドカード=前払い(チャージしてから使用)」、「デビットカード=今払い(使用時に口座からすぐに引き落とし)」、「クレジットカード=後払い(翌月、翌々月に請求される)」と区別することができます。
支払いとは関係なく銀行口座やATMから現金を出し入れするために使用されるカードです。
上記の通り、クレジットカードとは「後払い」ができるカードであり、それは利用者の信用(=クレジット)によって成り立っています。
世界中の店頭にて、現金がない場合でもクレジットカードで決済ができるのは、カードの利用者に「信用」があることをクレジットカード会社が担保しているからです。
そのおかげで、利用者は現金なしで商品やサービスを利用でき、店舗は現金がないお客さんも逃さず売り上げにつなげることができます。
つまり、クレジットカード会社がカード利用者に担保している「信用」を活用して、世界中どこへ行っても「消費者⇔店舗」の間でキャッシュレスなやり取りが可能になっているのです。
1枚のクレジットカードの利用にあたって、その周りには以下のような関係者がかかわっています。
店頭やオンライン上でカードを使用する消費者を指します。
カードでの支払いに対応する店頭やオンラインショップを指します。カード利用による高額商品の販売促進や決済処理の簡略化の対価としてカード発行会社に対して手数料を支払っています(2~3%程度)。
カードブランドとは、クレジットカードが世界中で使用できるように、カードの決済システムを管理している会社です。
世界で国際ブランドとして認められているのは「VISA」「Mastercard」「JCB」「AMEX」「Diners Club」の5社であり、それぞれがアクセプタンスマーク(カードが使える範囲や店舗を示すロゴマークで加盟店のレジに表示されている)を持つことで、各店舗での支払いを可能にしています。
国際ブランドがカード発行会社に使用ライセンスを提供することで、各発行会社は色々な店舗で使用可能なクレジットカードを発行できるようになります。
クレジットカードを発行している会社です。発行会社はVISAやMasterCardといった国際ブランドに使用料を支払いカード発行権を得ることで、世界で使用できるクレジットカードを発行しています。
店頭やオンライン上での支払い時に利用代金の後払いができる機能です。クレジットカード会社が利用者の「信用」を担保していることで後払いができ、カードを利用してから実際に現金が引き落とされるまでの期間を「ユーザーの支払い猶予期間」と呼びます。
カードについているキャッシング機能を利用してATMから現金を引き出せる機能であり、日本円に限らず海外旅行など遠隔地にいるときでも現地の通貨をATMから調達することができます。
ほとんどのクレジットカードには利用額に応じて0.5~2%程度のポイント還元機能が付いています。貯めたポイントはカード利用額の割引に当てたり、電子マネーやマイルといったサービスに交換することができます。
カードには海外旅行保険や国内旅行保険のほか、買い物保険などの保険機能がついていることがあります。保険機能には自動付帯と利用付帯の2種類があり、自動付帯ではカードを持っているだけで保険機能が使えますが、利用付帯では旅行や買い物にカードの使用がなければ保険の対象とならないので注意が必要です。
カードによっては持っていることで空港ラウンジが使用出来たり、旅行や各種チケットの予約が割引されるなど、お得なサービスを受けられることがあります。